「アニソン」

生徒会波乱物語:神野和樹と西山紅葉




「ねー和樹、アニソンってどう思う?」
「また唐突に何だ」
「だからさ、アニソンってどう思う?」

夕食後、桜の風呂上がりを待っていると、いきなり紅葉がそんな事を聞いてきた。

「あ、ゲーソンでも可」
「たまに思うけどさ、アニソンとゲーソンって何が違うんだ?」
「アニメに使われてるかゲームに使われてるかでしょ。で、どうなのよ」
「どうって・・・・・・」

少し考え、とりあえずぱっと思いついた事を言ってみる。

「俺は好きだけど」
「どんなのが?」
「どんなのって、・・・・・・別に、色々」
「ふーん」

なんかつまんねーと言われてるみたいで腹が立つのですが。

「じゃあさ、いかにもオタクが好きそうなアニソンは?」
「別にいいんじゃないか? 俺は聞かないけど」
「キモッ! とか思わないの?」
「そりゃお前、そういう曲を人前とかで歌いだしたら引く」
「そんくらいか・・・・・・」

納得したように紅葉は頷く。一体何がわかったのだろう。

「お前はどう思うんだ」
「あたし? あたしは正直好きくない」
「へー。何で?」
「あたし、そもそもあんまり音楽聞かないしさ、あー・・・・・・熱いアニソンならオッケー」
「戦隊モノとか?」
「や、あたしああいうのは興味ないし」

じゃあどんなのだ。と聞こうとしたら、先に紅葉が続けた。

「とりあえず熱けりゃいいのよ」
「またアバウトだな」
「こだわりない事はそんなもんでしょ」
「確かに」

それもそうだ、と思った。

「しかし、アニソンか・・・・・・言われてみれば意識したことないな」
「和樹はアニメのオープニング飛ばす派?」
「アニメ自体見ないしなあ」
「見てみれば? 最近のアニメってなかなかすごいらしいよ?」
「気が向いたらな」



執筆年月:2010/02/14

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