「プールW(4)」

生徒会恋乱物語:神野椿、長森凛、(一応)神野和樹と東海沙華(西山紅葉)、(僅かに)長森紅
(「プールV(3)」の続き)




夕食を食べ終わり、椿が自室へ帰ってきた時、携帯電話にメールが来ていたことに気がついた。



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Time 20XX/07/22 19:52
From 長森凛
Sub 無題

椿は生徒会の人たちをどう思ってるの?


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Time 20XX/07/22 20:31
From 神野椿
Sub Re:無題

どうって……。
ええと、嫌いでは、ないです。
たぶん、みんな好きですけど……?


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Time 20XX/07/22 20:34
From 長森凛
Sub 無題

そう

もし生徒会の人たちと、私との約束がかぶったら、椿だったらどうする?


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Time 20XX/07/22 20:36
From 神野椿
Sub Re:無題

え……だって、今度プールに行くときは、柏崎先輩と桜坂さんもついてくるって……。


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Time 20XX/07/22 20:37
From 長森凛
Sub 無題

今回のことじゃなくて、もしもの話


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Time 20XX/07/22 20:42
From 神野椿
Sub Re:無題

分からない、です……。

困っている、って言われたら、たぶん、そっちを優先してしまうと思います。


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Time 20XX/07/22 20:45
From 長森凛
Sub 無題

やっぱり椿は優しいのね。
少しだけ、疎わしいけど

じゃあ、困っているって私が嘘をついたら、椿は怒る?


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Time 20XX/07/22 20:47
From 神野椿
Sub Re:無題

……そんな意地悪なこと、凛さんはしないって、知ってます。


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Time 20XX/07/22 21:04
From 長森凛
Sub 無題

そう。ありがと

椿、明後日は暇?


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Time 20XX/07/22 21:13
From 神野椿
Sub Re:無題

明後日は……ごめんなさい。
柏崎先輩にメールで尋ねたんですけど、生徒会の業務があるみたいなので……。


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Time 20XX/07/22 21:14
From 長森凛
Sub 無題

……もしかして、私の名前を出した?


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Time 20XX/07/22 21:16
From 神野椿
Sub Re:無題

え?
出してない、ですけど……?


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Time 20XX/07/22 21:19
From 長森凛
Sub 無題

ならいい

忙しいなら仕方ない。
また暇な時があったらメールして。

今日はお風呂に入るから。またプールで


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「……ねえ、お父さん、沙華さん」
「ん? あ、風呂なら空いたぞ」
「入るんならちゃちゃっと入っちゃいなさいよ。寝る前に入ったら暑くて寝れないわよ」
「あ、うん。……あの、入る前に、ちょっとだけ。お父さん……もし、えっと、うーん……」
「なんだ椿、どうした?」
「あのねぇ和樹。急かしてどうすんのよ。椿、ゆっくり考えていいわよ。あたしもこいつも逃げやしないし」
「ありがとうございます……。あの、お父さん。例えば、例えばだけど、桜さんから、何日後に暇って聞かれたら、お父さんだったらどう返す?」
「へ?」
「あたしなら『暇だけどどうかした? どっか遊びに行く?』って返すわね。あ、もちろん忙しくなかったらの話」
「……やっぱり、そうなのかなぁ」
「え、もしかしてデートの誘いとか? 和樹、あんたの息子、やっぱあんた似みたいじゃん」
「それって喜んでいいのか……?」
「あの、でも実は、その日は生徒会が忙しいって……生徒会の、柏崎先輩って人が言ってたから、そう伝えたらがっかりされちゃって」
「柏崎って確か、あの子だっけ? ……あーうん。まあ……和樹。あんた今のうちから教えるべきこと教えときなさいよ」
「お、俺かよ!」
「あんた以外に誰がいるのよ」



そして、凛とメールしていたせいで、椿は寝る前まで見落としていた。

途中、別の人からメールが来ていたことを。



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Time 20XX/07/22 20:57
From 長森紅
Sub 無題

椿くん椿くん!
なんかね、お姉ちゃんがわたしの部屋に来てものすっごく顔を真っ赤にしてたけど、椿くん何か言ったの?
なにも言わずすぐ部屋に戻ったみたいだからよく分かんないけど、お姉ちゃん、すっごく可愛かったよ!


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執筆年月:2012/07/04

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