――事務所――
喜多見柚「ここ！　ここにボードゲームを置こう！　そうしたらアタシもＰさんもたくさん遊べるっ♪　そんで加蓮サンともいっぱい遊ぶんだ！」
北条加蓮「……はぁ。断れないなぁ、こういうの」
柚「へへっ♪　ねえねえ、加蓮サンはどういうゲームが好き？　人生ゲームとか？」
加蓮「私は何でも好きだよ？　昔、将棋とかオセロにはまってた頃があるんだ」
柚「シブい！　加蓮サンってそういうの強そうだよね」
加蓮「ま、柚よりは強いかな？」
柚「ぐぬぬ、言い返せないっ。加蓮サンとアタシのＰサン、どっちが強いかな？」
加蓮「ああいう人ってすごく強そうだよね、パズルとか戦略ゲームとか」
柚「オセロで勝負したら、真っ黒にされて負けちゃった」
加蓮「……それは柚が弱すぎるんじゃない？」
柚「いやいや、ホントにＰサン強いんだって！」
加蓮「じゃあ勝負してみるのもいいね」
柚「ふっふっふ〜、Ｐサンに挑みたければまず忍チャンに勝ってみせよ〜」
加蓮「何キャラだ」
柚「悪の親玉！」
加蓮「似合わないからやめときなさい」
柚「へへっ、やっぱり柚は勇者パーティーの方がいいな。加蓮サンをやっつけるんだー！」
加蓮「誰が悪の親玉だコラ」
柚「いひゃいいひゃい」
工藤忍「……あと、アタシはそんなにオセロも将棋も強くないからね？」
柚「あ、いたんだ忍チャン」
加蓮「ああ、いたんだ忍」
忍「いたよ！？　最初からいたよ！？　加蓮も柚ちゃんも手伝わないからアタシ１人でやってるんだけどな！？」
柚「ごめんちゃい」
加蓮「ごめんごめん。はい、手伝うよ」
忍「まったく……」
加蓮「これでこの部屋、うちのＰさんと忍らのＰさんが共同で使うことになるんだよね。……見張ってないと」
柚「はーい！　アタシは加蓮サンがプロデューサーをやってるからこうなってるって聞いた！」
加蓮「げ」
忍「あ、それアタシも聞いた。それなら仕事も連携した方がうまくいくんじゃないかって」
加蓮「……自分で自分の首を絞めてたかぁ」
柚「苦しそうだ！」
加蓮「苦しいよ、だから柚は真似しないようにね」
柚「いえっさー！」

忍「柚ちゃん、ちょっとそっちの机の端を持っ――」
柚「あーっ！　古い写真めっけ！　誰のだろ誰のだろ」
忍「……ハァ。加蓮、ちょっと手伝って」
加蓮「はいはい。よい……しょっと」
柚「柚のだったー！　えー、ちょっと、ハズい、ハズい！」
加蓮「そういえば当のプロデューサーさんは？」
忍「新しい机を買ってくるって出て行った。穂乃香ちゃんとあずきちゃんがついていってるよ」
柚「アタシもそっち行きたかったなー」
忍「柚ちゃんが行ったら終わらないよ」
柚「(・ω<)」
加蓮「で、次は何を運べばいいの？」
忍「今できるのはだいたいこれで全部かな……」
加蓮「そっか。じゃ、柚、ちょっとこっちおいで」
柚「えっ、なになにっ……むぎゅ」
加蓮「ぐにぐにぐにぐに」
柚「ひゃ、ひゃ、かれんしゃん、なんでゆずをぐみぐにするのばなっ？」
加蓮「おし。忍もやれば？」
忍「アタシの分は加蓮がやってくれたからいいよ」
柚「えー？」
加蓮「手伝わなかった罰」
柚「(・ω<)」

加蓮担当Ｐ（以下「男性Ｐ」）「お、やってんな模様替え」
加蓮「あ、Ｐさん。お疲れ。フリルドのプロデューサーさんと同じ部屋になるんだよね」
男性Ｐ「おう。加蓮が橋渡しになってな、合同LIVEの話もちょいちょい出てきてんだ」
加蓮「そっか。でもＰさん、それとこれとは話が別だよ？」
男性Ｐ「いや、これってどれだ」
加蓮「ちゃんと私が見張ってるからね、よからぬことをしないように」
男性Ｐ「よからぬ？　……あー、そういうことか。いや、お前が１番よからぬことをしてんじゃねえか！　俺に！」
加蓮「ふふっ」
男性Ｐ「ったく。そっちの２人も見張っててくれ。加蓮が余計なことをしないように」
忍「はーい」
柚「あいあいさー！　加蓮サンのプロデューサーサン、いい人！」
男性Ｐ「っと、悪い、ちょっと急用で出ることになったんだ。すぐ戻ってくるから先にあっちが着いたら待ってもらっててくれ」ﾀﾀﾀｯ
加蓮「うん、行ってらっしゃい」ﾌﾘﾌﾘ
柚「……」ｼﾞｰ
加蓮「……何？」
柚「あ、いや……」
忍「加蓮もそういう顔するんだなって」
柚「仲良さそうだった！」
加蓮「あー、うん、まあ」
柚「忍チャン忍チャン、あれは恋する乙女でしたなぁ？」
忍「どこから見てもそうだったね。ふふ、加蓮の意外な一面を知ったかな♪」
加蓮「からかわないでよ、もう！」

フリルド担当Ｐ（以下「女性Ｐ」）「ただいまーっ。お、ちゃんとやってるね。感心かんしん！」
柚「おかえりＰサンっ！」
忍「おかえり。やったのはアタシと加蓮だよ」
女性Ｐ「やー、加蓮ちゃんにはいつも世話になるね。忍もありがとね。で、柚は？」
忍「遊んでた」
柚「わわっ、忍チャン、しーっ、しーっ！」
女性Ｐ「そっかそっか。柚、お尻を叩かれるのとお尻を蹴られるの、どっちがいい？」
柚「やだよ！　柚、お猿さんになんてなりたくないよ！」
加蓮「ま、私も柚や忍にはお世話になってるから、プロデューサーさんの手伝いをするのは当然だよ」
柚「加蓮サンなんでそれ今言ったの！？」
女性Ｐ「そうだ、帰りにコンビニに寄って来たんだけど、ちょうど今日からのスイーツがあって。買ってきたんだ、はい忍」
忍「ありがとっ♪　リンゴのタルトだ、おいしそう！」
女性Ｐ「加蓮ちゃんも、どうぞ。手伝ってくれてありがとね」
加蓮「ありがと」
柚「……あれ？　アタシは！？　柚の分は！？」
女性Ｐ「ん？　手伝ってない子の分はないかなぁ」
柚「！？」
加蓮「……あー、えっと、ごめんプロデューサーさん。私、甘いのちょっと苦手だから、柚にあげていいかな？」
柚「ホント！？」
女性Ｐ「しょうがないっ。加蓮ちゃんに感謝しなさいよ、柚？」
柚「やったー！　するする、加蓮サン大好きっ！」
加蓮「わっ、こら、抱きつくなっ」
男性Ｐ「ただいま……うわ、やっぱり先に戻ってたか」
女性Ｐ「おー、おかえり。おねーさんの方が１歩早かったねぇ」
男性Ｐ「おねーさん？」
女性Ｐ「よし、ちょっと表に出ようか」
男性Ｐ「そ、それより模様替えも終わったみたいだな！　これからよろしくな、女性Ｐ！」ｽｯ
女性Ｐ「誤魔化したな？　ま、しょうがない、おねーさんの顔に免じて許してやるっか」ｱｸｼｭ
加蓮「…………」ﾑｽｰ
男性Ｐ「……うおっ、ちょ、加蓮！？　なんで足を蹴る！？」
加蓮「別に？」
柚「アタシもやる！　とりゃー！」
女性Ｐ「うわっ！　とととっ。こーら、柚？　急に飛びかかってきたら危ないでしょ？」
柚「Ｐサンなら受け止めてくれると思って！」
女性Ｐ「全く、この子ったら」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
柚「にへへぇ……はっ！　も、もう、Ｐサン、アタシ子供じゃないよ！」ﾌﾞｸｰｯ
女性Ｐ「……？　……ああ、そっか」ﾁﾗｯ
忍「？」
加蓮「なんか寂しそうだね、忍。私にでも飛びついてみる？」
忍「加蓮にやったら避けられそうだからやめとくよ」
加蓮「そっか。じゃあ私はもうちょっとＰさんを蹴っとくね」ｹﾞｼｹﾞｼ
男性Ｐ「ちょ、やめ、地味に痛ぇ！　地味に痛ぇから！」
加蓮「乙女心を弄んだ罰だよ」
男性Ｐ「意味が分からん！」
女性Ｐ「あーあー……いい具合に懐かれてるわね。今後はこれをずっと見ないといけないのかー。うわ、おねーさん今から部屋を戻したくなってきた」
男性Ｐ「どういう意味だっ、こら、加蓮、離れろ！」
女性Ｐ「あっはっは。まー同じ部屋での仕事になるけど、これからよろしくねー。加蓮ちゃんも」
加蓮「こっちこそ。柚も忍も、よろしくね」
柚「あいあいさー！」
忍「アタシこそ♪」