「キャミってみた(造語)」





――事務所――
高森藍子「お、おはようございますっ」
P「おう、おは……!?」
北条加蓮「ん、おはよ藍子……っと」
P「紺のシャーリングキャミソール……だと……っ!?」
藍子「えと……に、似合ってますか?」

※こんなの
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P「藍子」
藍子「ひゃいっ」
P「お前、彼氏ができたとかじゃないだろうな」
藍子「へ?」
P「いらんこと影響されたとか悪い男が寄り付いて来たとか……そ、そういうのは俺が許しませんよ!」
加蓮「お父さんか」
藍子「そ、そういうんじゃなくて」
P「にしたってお前これ――」
加蓮「はいはい。ごめんねPさん。藍子も。それ、私の提案なんだ」
P「え?」
藍子「あうぅ……」モジモジ
加蓮「夏服を買いに行った時にね、思いっきりやっちゃえってプレゼントした。着てくれたんだね藍子。うん、すっごい似合うよ」
藍子「そ、そうですか?」
加蓮「ホントに似合うって。イメージぜんぜん違うし。普段の藍子がベンチでゆっくりしてるっぽいなら、今の藍子は都会ではしゃいでるって感じ! すっごくいいよ」
藍子「うぅぅ……ぴ、Pさんも何か言ってくださいっ」
P「……」グッ!
加蓮「……」グッ!
藍子「おふたりで頷きあわないでください〜!」
P「マジでやべえな。こんな子を街で見つけたら一発でスカウトしてるわ、むしろ事務所まで連れ込んでるわ」
加蓮「気持ちは分かるな。私が男だったらほっとかないよ」
P「パッと見は大人しめの子が大胆ってのがいいよな」
加蓮「まず服を見て、それから顔を見て『あれ?』って思うんだよね。変に思いつつも目が離せない」
P「そして次に独占したくなる」
加蓮「大人しめってところがポイントになってね」
P「……」グッ!
加蓮「……」グッ!
藍子「も、もう、やめてください! 恥ずかしいですから〜〜〜!」

藍子「ふぅ……」(上に薄地のジャケットを羽織った)
加蓮「うん。やっぱり藍子はこっちの方が落ち着くなぁ。さっきのは刺激があっていいけど、こっちの方がいつもの藍子って感じ」
藍子「私もです。……ち、ちょっとまだ恥ずかしいですけど」
加蓮「ジャケットがライトグリーンってのがいいね。変な模様が入ってないのもいい感じじゃん。これ藍子の?」
藍子「はいっ。前に事務所で衣装を合わせていた時、時間がなくて、そのまま置きっぱなしにしていたんです」
加蓮「へー。ふーん。……なんだろ、なんか対抗心が湧いてきた」
藍子「ええぇ……」
加蓮「Pさんも! 私がこういう服着て来ても反応うっすいのに藍子の時はああだし!」
P「加蓮はいっつもそういう感じだろ。ずっと見てりゃ慣れる」
加蓮「ぐぬぬ……ここはいっそ路線変更を……」
P「やめろやめろ。今の加蓮がウケてるんだから」
加蓮「Pさんも、今の私がいいって思ってくれる?」
P「思う思う」
加蓮「……軽いなぁ」
藍子「あはは……。じゃあ、ちょっとだけ気分を変えてみるくらいならどうですか?」
加蓮「気分ねぇ」
藍子「ほら、加蓮ちゃんはよく髪型を変えていますよね? あれに合わせて、今までに着たことがない服を着てみるとか!」
加蓮「んー……なんかあったっけ、Pさん」
P「……思いつかんな。加蓮は本当に、コロコロ外見を変えてくるからな」
加蓮「見た目の斬新さじゃ勝負にならないかもね……よし、それなら中身だっ」ダッ
P「おいやめろこっち来るな目つきを変えるな!」サッ
加蓮「そこまで言うかこのやろー」ストン
藍子「加蓮ちゃんのお家には、たくさんの服がありそうですねっ」
加蓮「いっぱいあるよ。今度、見に来てみる?」
藍子「はい。是非、行ってみたいです!」
加蓮「いつでもいいよー。Pさんも来る? 一緒に晩御飯を食べようよ」
P「あのな……そういう軽いノリがスキャンダルを呼ぶんだぞ」
加蓮「大丈夫大丈夫。取り上げられたら軽くかわすから」
P「んな簡単に言うなよ」
藍子「でも加蓮ちゃん、前にもやっていましたよね。ほら、クリスマスの時にも」
P「ああ……大切な人がいるから今はクリスマスも楽しいって言ったら、男の影! とか言われて大変だったな」
加蓮「ふふっ。凛と奈緒には感謝だね。もちろん、藍子にも」
P「あん時は本気でヤバイと思ったからなぁ……。ったく」
加蓮「ちなみにあの言葉、Pさんを想像して言ったんだよ?」
P「だからヤバかったんだろうが! お前な、見てる奴は見てるんだからな! お前が隠してるつもりでも!」
加蓮「はーい」
藍子「加蓮ちゃん、自分のことを考えるのって苦手ですよね」
加蓮「ちょっとねー。どう見られてるかっていうのはよく分かるんだけど、なんか違うっていうか」
藍子「Pさん……私が言っても、加蓮ちゃん、ぜんぜん分かってくれないんです。加蓮ちゃんのことを好きな人はいっぱいいますよ、って言っても」
P「あー……」
加蓮「ほら、入院時代に上っ面ばっかりの人がいっぱいでさ、そういうのに気付くとさ……ねえ?」
藍子「むー」
加蓮「はいはい。今は不慣れなキャミソールを着てくれる人がいるからね。ちょっとは分かってるつもりだよ」
P「なんだその基準」
加蓮「他にも、ご飯に誘ったらきっちり動揺してくれる人がいたりとかね」パチッ
P「ど、動揺なんてしてねえし。はっ、そういう冗談はむしろ聞き飽きたくらいだな。はっ」
加蓮「動揺してたよねー」
藍子「してましたねー」
P「お前らなぁっ!」
加蓮「ま、これでもアイドルだし。女の子だし」
P「ったく。加蓮に真面目になろうとするだけ無駄だな、本当に……」
加蓮「あれ、これなんかチャンス逃した?」
藍子「加蓮ちゃんがからかってばかりだからですよ。いつもいつも、もうっ」
加蓮「ぐぬぬ。せっかくPさんのプロポーズを録音できると思ったのに」
藍子「そういうところもですっ!」
P「ゴホンっ。まあ今日は、藍子のキャミソール姿に免じて許してやろう」
加蓮「やった」
藍子「な、なんですかそれっ」
加蓮「ふふっ。Pさん、次はどんなのが見たい?」
P「そうだな。季節柄、やっぱり水着とかに期待したくなるな」
加蓮「きゃー、Pさん目がマジだよ。でもお世話になってるPさんの頼みだからね、やっぱり断れないな」
藍子「私が断ります! そんな理由なんて、お、お恥ずかしい……!」
加蓮「とか言って実は」ニヤニヤ
藍子「…………せめて心の準備をさせてください!」
加蓮「ひひっ。だってさ、Pさん」
P「おし、その日が来るまで俺は仕事人間になるぞ! うおおおおお!!」シュババババッ

――しばらく経過して――
安部菜々「おつかうっさみーん♪ みなさんお揃いですね!」
加蓮「うっさみーん」
藍子「うっさみーん♪」
P「おう、お疲れ菜々」
加蓮「Pさんノリわるーい」
P「はいはいうさみんうさみん」
菜々「お、藍子ちゃん、キャミソールですか。お似合いですよ!」
藍子「あ、ありがとうございます」
加蓮「それに比べて……」ジーッ
P「ふむ……」ジーッ
菜々「……な、なんですかね? 2人してナナをじーっと。なんか変な物でもついてます?」
加蓮「いつも通りのお腹を見せないスタイル……」
P「見慣れたメイド服っぽいワンピース……」
菜々「え? 悪口言われてます? あれ?」
加蓮「とりあえずへそ出しのシャツからかな」
P「膝丈、いやもうちょっと短めのスカートを……」
藍子「みんなでお揃いっていうのもいいかもしれませんね」
菜々「ちょおっ! なんだか不吉な単語を! やめてくださいよナナはメイドですからね! みんなのメイドですから! へそ出しとかは、」
加蓮「よし、いけ藍子」
藍子「はいっ!」バッ
菜々「ギャアアアアアアア――! やめ、衣装部屋は駄目です! ウサミン星人はお腹見せちゃダメなんですからああああああ――!!!」


掲載日:2015年7月9日

 

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