「ざあざあとうるさいから色々やってみたい」
――事務所 夜――
<ザアアアアアアアアアア――!! <バタン! 北条加蓮「せええええーーーっふ!」 安部菜々「た、ただいま戻りましたーっ!」 <シーン... 加蓮「……誰もいないか」 菜々「夜遅くに外は大雨、誰もいない事務所……ううっ、ナナ、ブルブルって来ましたよ」 加蓮「それ単に寒いからじゃない? はいタオル」ファサッ 菜々「どうもです。いやあしかし降られましたね。天気予報じゃ星が綺麗な日だなんて言っていたのに」 加蓮「降られたねー。服、ちょっぴり濡れちゃってる」 菜々「シャワーでも浴びてきますか?」 加蓮「そこまでじゃないよ。よ、っと」ギュー 加蓮「あーもうサイアク。今日はだいたいみんな同じ時間にお仕事が終わる予定だから、晩ご飯をって話になったのに」 菜々「Pさんに藍子ちゃん、大丈夫ですかねぇ……」 加蓮「Pさんは車だから平気でしょ。藍子は…………」 菜々「……探しに行こうって言ったらナナ全力で止めますよ」 加蓮「はいはい」 加蓮「ほら、あれじゃん。散歩してたら急に雨が、とかで慣れてるでしょ」 菜々「なるほど! ……なるほど?」 <ザアアアアアアアアアアアアアアア――!!!! 加蓮「……ねえ、雨、激しくなってない?」 菜々「ですね。なんかこう、雨の時って意味もなく不安になっちゃいません?」 加蓮「分かる分かる。何が起きるって訳でもないのにね」 菜々「はぁー……今日、どうやって帰りましょうか」 加蓮「いざとなったら菜々さんが車を出すってことで」 菜々「いやいやナナは17歳ですから」 加蓮「ふうん。じゃあちょっと所持品検査しよっか」 菜々「何狙いですか!?」サッ 加蓮「全力で鞄を隠すことないじゃん。別に、保険証とか免許証……ごほんごほん。あー、ちょっと咳っぽいかなー」 菜々「わざとらしい!」 加蓮「ふふっ。この冗談が通じるのは菜々さんだけだからね」 菜々「ああ、Pさんが聞いたらどうなるか簡単に想像できちゃいますねぇ……」 <ザアアアアアアアアアアアアアアア――!!!! <バタンッ! 高森藍子「た、ただいま戻りました〜っ!」ビシャビシャ 加蓮「お帰り。見事に降られたね」 菜々「ナナが使った後で悪いですがこれタオルどうぞ!」 藍子「ありがとうございます……あはっ、すっかり降られちゃいましたっ」 加蓮「なんでそんなに嬉しそうなの」 藍子「え? だって……えへへ」 加蓮「はぁ?」 菜々「うわ、藍子ちゃん本当にびしゃびしゃじゃないですか! まさかこの雨の中を……?」 藍子「わっ、私だってパッショングループですから!」 加蓮「頭が弱いってこと?」 藍子「そうじゃなくて〜!」 菜々「体が冷えたら風邪を引いちゃいますし、とりあえずシャワーを浴びてきましょう!」 藍子「はい、そうしますね」 加蓮「あ、Pさんから電話だ……もしもし? うん、うん、私達は事務所だけど……え? あ、そうなんだ……うん、分かった」 加蓮「戸締まり? 大丈夫だって。もう、こっちには菜々さんもいるんだし」 菜々「!?」 加蓮「はーい。……Pさん、雨が酷すぎて車が出せないって。今日は営業先で泊まらせてもらうことにって言ってた」 藍子「大変そうです……」 加蓮「ま、向こうで意気投合したから夜通し語り合うとか……なんかウキウキしてたなぁ。ムカつく」 菜々「ナナ達はどうしましょうか」 <ザアアアアアアアアアアアアアアア――!!!! 菜々「正直、この雨の中を歩いて帰るのもちょっと……」 加蓮「だから菜々さんが車を」 菜々「むーりーでーすー!」 加蓮「ふふっ。Pさんが、事務所に泊まったらどうかって言ってたよ」 藍子「……! お泊り会ですね! 私、何か食べられる物がないか探してきますっ」 加蓮「アンタは先にシャワー浴びてきなさい。あ、それでPさんが、戸締まりだけはきちんとするようにって」 菜々「がってんしょうちです! あ、でも着替えってありますか?」 加蓮「あー……藍子は?」 藍子「そういえば……」 菜々「困りましたねぇ。今日はけっこう動きましたし、お風呂抜きっていうのもちょっと」 加蓮「んー……」 藍子「! そうだっ、着替えなら衣装部屋にないでしょうか?」 加蓮「藍子それグッドアイディア! さっそく探してみようよ!」 菜々「ナナ、ワクワクしてきましたよ!」 加蓮「ふふっ、何だって楽しまないとね!」 ――衣装部屋―― 加蓮「……あー、下着はさすがに少ないかぁ」 藍子「上下の服はたくさんあっても、下着はたいてい、そのまま着ますよね……」 菜々「ですねぇ。あ、どうせなら水着にしちゃえば良いのでは?」 加蓮「水着かぁ……」 菜々「それよりも! せっかくですし、あまり着ない衣装を拝借しちゃいましょうよ! 例えばナナならこれ!」 つフォレストフェアリー(ぷち藍子獲得時の入手コス) 藍子「あっ、それ、私が昔、撮影に使った衣装ですっ。まだ取っておいてあったんだ……!」 菜々「これでナナも妖精っぽく見えますかね! メイドフェアリーのナナですよ!」 藍子「すっごくすてきですっ。なんだか、お花畑ではしゃいでいそうな感じ……♪」 加蓮「これは負けられないね。私は……うん、たまにはこういうのもいいかな」 つブラックオアホワイト(ぷちガチャ) 藍子「大人っぽくていい感じですっ」 加蓮「これ、何かの制服のアレンジなんだよね。合う髪飾りあるかな〜」 菜々「ささ、次は藍子ちゃんですよ?」 藍子「え、えっと、じゃあこれでっ」 つサンセットノスタルジー・未央(ぷちショップ) 藍子「これ、1度着てみたかったんですっ」 菜々「そうきましたか! ポジティブパッションの時の藍子ちゃんとは、またぜんぜん違う感じですね!」 藍子「ふふっ。ちょっとは、アイドルらしく見えるかな……?」 菜々「見えます見えます! ナナ今にもLIVEがしたくなってきました!」 加蓮「ハレギコサージュ……安直かなぁ。エアリーアドバンスコサージュ、バイオレットヒールリボン……駄目だ、どれも狙いすぎって感じがして、ううん、いっそハット系の?」 菜々「……ガチでLIVEに備えているような子もいるみたいですが」 藍子「加蓮ちゃん、すっごく楽しそうですっ」 菜々「こういう機会でもないと、いろいろ試すなんて難しいですもんねぇ」 藍子「ねね、菜々さんっ。私たちも、他にいいのがないか探してみましょう!」 菜々「よしきたっ。おおっときぐるみまでありますよ。藍子ちゃん、こういうのはどうですかね?」カポッ 藍子「あはっ、くまさんですっ。うさぎさんなのにくまさんっ……あははっ、変なのっ」 菜々「ウサミン星からやってきたクマミンですよ! ガハッ☆」 藍子「ぷくっ……くくっ、うくくっ、やめ、やめてください菜々さんっ、あははっ」 加蓮「やっぱりリボンかなぁ。ううん、小さめのコサージュ系……いや敢えて大きめにして、でもそれじゃ髪型が……」 菜々「お、これは太鼓の◯人コラボで作った衣装ですね! ナナも制作に参加しました!」 藍子「こっちにはコンサートライトもあります! い、衣装、なのかな……?」 菜々「こっちはマジカルステッキですねぇ。魔法少女、ナナ! 華麗に参上! なんちゃってっ」 藍子「ステッキにも色々あります。あ、私、この星形のが好きかもっ」 加蓮「ブーツと合わせてみるのもアリかな……ストラップシューズ系のは、うーん、でもこれ地味すぎない?」 ――しばらくが経過して―― 菜々「…………これ、寝間着にするには無理がないですかねぇ?」 藍子「ううっ、なんだか気分がそわそわして、眠れそうにないですっ」 加蓮「……何してんだろ私達」 菜々「さあ……?」 |
掲載日:2015年8月22日
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