「衣替えとデートの季節っ にっ」





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――某アパレルショップ――
喜多見柚「加蓮サン加蓮サンっ、パーカー見つけた!」
北条加蓮「まーたパーカーかアンタは。うちに何着あると思ってるのよ、アンタのパーカー」
柚「でも加蓮サンのがないよ? はいっ! これでアタシとお揃いだ!」
加蓮「はーい……、……柚? これさ、どう見てもメンズじゃない?」

※こんなの
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柚「ふっふっふ、これを着てアタシと並んだら美男美女! きゃっ、美女なんて照れちゃうナ〜」バシバシ
加蓮「こら叩くな痛い痛いっ」
高森藍子「加蓮ちゃんっ!」ズイ
加蓮「藍子」
藍子「これなんてどうですか? パンケーキニット♪ 触り心地もとってもよくて、着てるだけで気持ちいいと思いますっ」

※パンケーキニット
http://shop-list.com/women/andit/951209/?eecckey=%83g%83b%83v%83X


藍子「私も一着、買っちゃおうかなぁ……。ふふっ、加蓮ちゃんとお揃いですね」
柚「えーっ。藍子サン藍子サン、加蓮サンだよ? 加蓮サンなんだよ? もっとこう、ビシッ! と行こうよ!」
藍子「びしっと、ですか……?」
柚「そーそー。例えばこういうパーカーとかっ」バサッ
藍子「えっと……これは、私たちのPさん用の?」
柚「違う違う〜。加蓮サン用! 着たらきっとかっこよくなるよ! それから〜、髪の毛もぱっつんにして〜」
加蓮「あの、勝手に人の髪を切ることにしないでくれる?」
柚「あとはデニムパンツを履けばカンペキだ! ささっ加蓮サン男装大作戦〜! なんて、あずきちゃんのマネっ」
藍子「待ってください柚ちゃん。やっぱり女の子なんだから、可愛く着飾った方がいいと思いますっ」
柚「え〜」
藍子「せっかくスタイルもよくて、顔も綺麗で、大人っぽいんですから、綺麗系でも可愛い系でも写真に撮りたくなるくらい映えるんです」
藍子「だからやっぱり、ここはレディースで……」
柚「でも加蓮サンだからメンズでも行けるっ! そうだ、執事サンとかどうかな! アタシ見てみたい!」
藍子「加蓮ちゃんは執事じゃなくてお嬢様の方ですっ。白いワンピースとか、ティアラとか、きっとすっごく似合います!」
柚「やだ! 加蓮サンは執事サンになるの!」
藍子「加蓮ちゃんはお嬢様の方が似合うに決まってますっ」
柚「執事サン!」
藍子「お嬢様っ」
加蓮「あ、あのさ2人と――」
藍子・柚「「加蓮ちゃん(サン)は黙ってて!!」」
加蓮「私の問題だよね!?」
藍子・柚「私(アタシ)たちの問題です(だーっ)!!」」
加蓮「私の問題でしょうが勢いで誤魔化そうとすなーっ!」
加蓮「っていうかこれ冬物が足りないから適当に見繕うってだけの話でしょ!? 別にメンズでもレディースでもなんでも、」
藍子「何を言っているんですか加蓮ちゃん! 加蓮ちゃんはアイドルなんですよ!?」
柚「そうだそうだ! テキトーなんてこの柚が許さないっ!」
加蓮「ハァ!?」
柚「む〜〜〜、藍子サンがこんなに分からず屋だったなんてっ」
藍子「柚ちゃんこそ、加蓮ちゃんのことが分かってないですっ」
柚「藍子サンの方がっ」
藍子「柚ちゃんの方っ」
加蓮「……あの、2人とも」
藍子・柚「「加蓮チャン(サン)はそこで静かに見てて!!」」
加蓮「しってた」
藍子「そうだ。それなら、私たちの担当のPさんに聞いてみるのはどうでしょうか。加蓮ちゃんは可愛い系とカッコイイ系、どっちがいいかって」
柚「藍子サンの担当サンってあのピョッキーくれる人だよね」
藍子「え? ……たぶん?」
柚「聞いてみよっ聞いてみよっ」
藍子「じゃあ、ちょっと電話してみますね。…………あっ、もしもし、Pさん? あの、お忙しいところにごめんなさい。ちょっとだけ相談が。実は――」
藍子「ふんふん。ふんふん……あはっ、そうですか♪ じゃあ、そう言っておきますね」ピッ
柚「どうだったどうだった?」
藍子「ふふっ。すっごくすてきな答えが返って来ちゃいました。加蓮ちゃん♪」
加蓮「な、なに?」
藍子「可愛いのもカッコイイのも、加蓮ちゃんならきっと着こなせるし、素敵になるって信じている――だそうですよ?」
柚「おおおっ」
加蓮「! ……そ、そう」
藍子「それに、どうせならどっちも見てみたい、とも言っていましたっ♪」
加蓮「そ、そっか」
藍子「加蓮ちゃん、Pさんに期待されちゃってますね♪」
加蓮「……そっかなー…………」
柚「加蓮サン顔真っ赤!」
加蓮「……うっさい」
藍子「じゃあ私、もっと探して来ますね。いろんなコーデの加蓮ちゃんを、Pさんに見せられるようにっ」ダッ
柚「アタシも行ってくる!」ダッ
加蓮「…………」
加蓮「………………もう」

――5分後――
藍子「加蓮ちゃんっ♪ これ、どうですか。ガウンコートです! すっごく暖かいですし、秋のコーデもそのまま使えそうですよ」

※こんなの
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加蓮「お、お帰り……」
藍子「はい、ただいまです♪ これなら上に羽織るだけですから、ちょっと試着してみてくださいっ」
加蓮「え、うん」

(試着終了)
藍子「わあ…………! 加蓮ちゃん、素敵ですっ。あの……私と同い年、なんですよね……?」
加蓮「まあ、私はウサミン星人じゃないし……」
藍子「ふふっ。ごめんなさい。でも、なんだかとてもそうは見えなくて。アイドルっていうより、女優さんって感じに見えますっ」
加蓮「そ、そう?」

――2分後――
柚「加蓮サン! 見て見て! ステンカラーコート! これ着て柚と一緒にお出かけしようよ!」

※こんなの
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加蓮「え、いやだからこれメンズ」
柚「まーまー。ひゃくぶんは……なんだっけ? ええとっ、とにかくやってみてっ。似合わなかったら別の持ってくるからっ」
加蓮「ちょ、押すなっ、こらっ」

(試着終了)
加蓮「……ねえ、やっぱりこれ少し違わな、」
柚「きゃーっきゃーっ! 加蓮サンが加蓮サンじゃなくて加蓮サン様って感じ! いいよいいよ、アタシすっごくいいと思うっ」
柚「一緒にお出かけしたかったけど……アタシじゃ足りないカモ。不釣り合いすぎだよ〜!」
柚「そうだ加蓮サン、じゃなくて加蓮サン様。これ着てちょっと……えーっと、穂乃香チャンと歩いてみて! 絶対すごいことになるっ。街中みんなが振り返っちゃうよ!」
加蓮「え、ええとさ……」
藍子「すごい……! 様、って言いたくなる柚ちゃんの気持ちがわかっちゃいますっ」
柚「でしょでしょ! アタシずっと加蓮サンこういうの似合いそうだって思ってたんだ。あっ、でもやっぱり藍子サンが持ってきたレディースもいいと思う!」
藍子「でしょ? それなら、両方買っちゃいませんか?」
柚「さんせー! それとアタシ、パジャマも選んであげたかったんだ。今ね、加蓮サン、いつもの服で寝てるからちょっと寝苦しそうで……」
藍子「そうなんですか? それなら、私たちで選んじゃいましょう。ちょっと待っていてくださいね、加蓮ちゃん♪」
加蓮「え、あ、うん」
柚「あっ、そのコートは脱いで持っててっ。加蓮サンがそれ着てると絶対ナンパされちゃうっ。女の人に!」
加蓮「いや、私女――」
藍子「ええと、ルームウェアは確か、あっちだったかな……?」
柚「アタシも一緒に選ぶーっ」

<ワイワイ
<ワイワイ

加蓮「…………あの……」ポツーン

――6分後――
藍子「お待たせしました! これから寒くなるし、こんなのどうですか?」

※こんなの
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藍子「ちょっと触ってみてください。これ、すごくふかふかで、手を入れてみるだけですごく暖かいんですよ。これなら冬の間も、加蓮ちゃん、風邪を引かなくて済みますっ」
加蓮「う、うん」スッ
加蓮「……あ、ホントだ。これすごく暖かい」
藍子「ふふっ♪」
柚「アタシはこれ持ってきた!」

※メレンゲフリル
http://store.narue.com/item15-11435-pu/


加蓮「メンズじゃないんだ」
柚「パジャマはかわいくっ♪ これ着てパジャマパーティーだっ。アタシももうちょっとかわいいの探してみよっかな?」
藍子「でもこれ、冬に着るにはちょっと寒いような……」
柚「じゃあ何か羽織る物を探そう! ジャケットとかショールとか! お昼にも着れるのなら一石二鳥だよ! 今度はちゃんと言えたっ」
藍子「そうですね。じゃあ、もう1回行きましょうか!」
柚「れっつごー!」

<ワイワイ
<ワイワイ

加蓮「…………あのー…………」ポツーン


――同日 北条加蓮の家・台所(夜)――
加蓮「ってことですっごく疲れた…………」グタァ
加蓮の母「あらあら。でも加蓮ちゃん、顔が笑ってるわよ?」
加蓮「…………うっさい」ツップセ

<(お風呂場の方から)パジャマっ、パジャマっ。お揃いのパジャマっ♪

母「ふふっ」


掲載日:2015年10月29日

※以下のサイトを参考にさせていただきました(敬称略)。

カットツイードZIPパーカー(1つ目の画像)
Amazon

パンケーキニット
SHOPLIST.com


ガウンコート(2つ目の画像)
レディース冬服2015★


ステンカラーコート(3つ目の画像)
ZOZOTOWN


ルームウェアロング(4つ目の画像)
DRAWER PLUS


メレンゲフリル
narue|ナルエー

 

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