「実はこれ第0話を除くと第100話なんです」





――事務所――
高森藍子「みなさん、こんにちはっ。今日は、事務所の皆さんのイメージビデオを撮影する、ということで……」
藍子「カメラ役は私、高森藍子が担当しますねっ」
藍子「こういうのも久しぶりですね……みなさんから、色々なお話を聞けると思うと、とっても楽しみですっ」
藍子「じゃあ、さっそくいってみますね!」

藍子「こんにちはっ、加蓮ちゃん♪」
北条加蓮「こんにちは、藍子。……あ、撮影、今日だっけ?」
藍子「はい♪ Pさんが、せっかくの記念だからって」
加蓮「記録か何かにでもするのかな」
藍子「いつものアイドルモードでお願いします、って言われてます」
加蓮「オッケー。じゃあ改めて。北条加蓮。アイドルやってます。みんな、いつもありがとね♪」
藍子「わあぁ……急にアイドルがいらっしゃった、って感じですっ」
加蓮「私はいつだってアイドルだってば」
藍子「では、そんなアイドル加蓮ちゃんの、今日のご予定は?」
加蓮「今日は午後から取材。次のLIVEの告知も兼ねてね。1週間後の日曜日だから、みんなも見に来てね!」
藍子「ふふっ、私も楽しみです」
加蓮「……んー、なんか喋りづらいなぁ。ねね、藍子。そこにカメラ固定してさ。こうやって……こうして、ほらっ」
藍子「え。私も映っちゃうんですか?」
加蓮「藍子だってアイドルでしょー。はい、お饅頭。私はお煎餅。こーやってテキトーにだべってるだけでもいいんじゃない?」
藍子「うーん……じゃあ、ちょっとだけっ」

藍子「って言ったのに、2時間も経過しちゃいました……」アハハ
藍子「私、おしゃべりをしていると、すぐに時間が経過しちゃって」
藍子「あれ? あそこにいるのは――菜々さーん!」タッタッタ
安部菜々「おおっと。藍子ちゃんじゃないですか。って、げ!? カメラですか!?」
藍子「げ、って……ほ、ほらっ、Pさんが言ってたイメージビデオのっ」
菜々「ああっとはいはいイメージビデオですね! キャハッ☆ ウサミン星から来たウサミン星人、安部菜々、17歳で〜す! うっさみーん!」キャピッ
藍子「うっさみーん! 菜々さんは今日も元気いっぱいですね!」
菜々「アイドルですからね! 今日は撮影に備えてレッスンですよ。いやぁ気合を入れすぎちゃって身体がもうキツくてキツくて」
藍子「は、はあ」
菜々「おおっと! まあナナは17歳なのでヨユーですが! ほらほら藍子ちゃん、もっと聞いてくれてもいいんですよ! ウサミン星のこととか!」
藍子「え、っと……じゃあ、ウサミン星人の菜々さんは、いつも何を食べているんですか?」
菜々「ウサミン星の主食は人参です! なんたってウサギの星ですからね! 最近は人参がどこも高くなっていて大変ですけど、買いためておくとほら、色々な料理ができて――」
藍子「買い溜め……?」
菜々「ハッ! も、もちろんウサミン星でですけどねっほらウサミン星ですからね!」
藍子「は、はあ……」

藍子「……続けちゃったらマズイって判断して、逃げてきちゃいました」ニガワライ
藍子「でも、そんな菜々さんだから愛されているんですよね……あっ、あれは!」
藍子「夕美さ〜ん!」
相葉夕美「藍子ちゃん! ちょうど良かった、私も探してたんだ!」
藍子「私をですか?」
夕美「見て見てっ。ペチュニアの花が綺麗に咲いたんだ。これ、事務所に置きたいんだけど、どこに置いたらいいかな?」
藍子「うーん、私なら……テーブルの上に、ちょこんって」
夕美「テーブルの上かぁ」
藍子「ほら、このお花、目立つ色をしているから……窓際に置くより、ちょっと目立つ場所の方がいいかな、なんて」
夕美「そうだね! よいしょ。わぁ、急に明るくなった気がする!」
藍子「お花って、本当にすごいですよね。1つあるだけで、とっても気持ちが変わっちゃいますっ」
夕美「ふふっ、花のパワーってスゴイんだよ。藍子ちゃんも、お部屋に飾ってみたらどうかな? 育てやすいお花を紹介しちゃうっ」
藍子「ありがとうございます。じゃあ、また今度、ホームセンターに行きましょうっ」
夕美「うんうん。あっ、ゴメンね、私レッスンがあったんだ! また後でお話しましょうっ」タタタッ
藍子「はいっ」

藍子「あっ、イメージビデオのこと、言ってなかった……でも、いつもの夕美さんって感じだったから、うん、きっとオッケー、だよね?」
喜多見柚「藍子サン! わ、カメラ持ってる。柚も撮ってっ」
藍子「きゃっ。ゆ、柚ちゃんっ。あはっ、分かりました!」
柚「可愛く撮ってねっ」
藍子「じゃあ、柚ちゃん。せっかくですから、簡単な自己紹介をしてみてくださいっ」
柚「あいあいさー! 喜多見柚、アイドルだよっ。女の子のファンを増やして、みんな友達になりたいなっ」
藍子「ふふっ。柚ちゃんなら、みんな友達になってくれますよ」
柚「ホント? ホント!? 藍子サンも柚といて楽しいっ!?」
藍子「とっても♪ また、面白いお土産、いっぱい持ってきてください」
柚「やったー! あっ、そうだ。アタシね、ドラマになることになったんだ!」
藍子「……ドラマになる??」
柚「間違えたっ。ドラマに出ることになったんだ。いっつも笑ってる女の子! へへっ、柚らしいでしょ」
藍子「あ、そういうことだったんですね。すっごくお似合いですっ。いつから放送のドラマですか?」
柚「秋から! みんなも見てねっ。柚が出るんだから、もう視聴率は爆上げだっ」
藍子「嬉しい報告、期待していますね」

藍子「そういえば、加蓮ちゃんが柚ちゃんに指導しているって、このことだったんだ……」テクテク
藍子「こんにちは、忍ちゃん」
忍「……? 藍子ちゃん」
藍子「今日は、アイドルのイメージビデオを撮っているんです。はい、簡単な自己紹介をどうぞっ」
忍「え? えっ、撮ってるのこれ!? おわっとっとっと……こ、こんな格好で大丈夫? ちょっとラフすぎ?」
藍子「大丈夫ですよ。では、自己紹介、どうぞっ」
忍「えっと、工藤忍。努力のアイドルを目指してるよ」
藍子「はい、ありがとうございます。今日は、何をしていたところなんですか?」
忍「今日はホントはオフなんだけど、体力つけるためにトレーニングルームの方に行ってたんだ」
忍「ルームランナーは地味だけど、走れる時間が長くなったら、それだけ体力がついたってことだよね。それがちょっと楽しくて♪」
藍子「忍ちゃんは、いつでも頑張り屋さんですね」
忍「みんなには負けてられないからね! もちろん、藍子ちゃんにも!」
藍子「ふふっ、私もちょっぴり焦っちゃいそう。また一緒にランニングしましょうね?」
忍「いいよー。藍子ちゃんとやってると、何時間でも走れる気がするんだよね」
藍子「それはきっと、忍ちゃんが成長しているからですよ」
忍「そうかな♪」

藍子「事務所のみんなは、今日も頑張っていますね……♪」
藍子「頑張り屋さんと言えば……いましたっ。歌鈴ちゃん!」
道明寺歌鈴「は、はいっ。歌鈴です!」
歌鈴「って藍子ちゃん――かか、カメラですかぁ!? わ、私、どこかおかしなところないですよね!?」
藍子「あはは、大丈夫ですよ。はい、ゆっくりで大丈夫ですから、自己紹介をしてみてください」
歌鈴「はいっ。道明寺歌鈴、巫女アイドルですっ」
藍子「ありがとうございます。今日は学生服なんですね」
歌鈴「これはそのっ、Pさんがたまにはこういう撮影もって……」
藍子「そういえば少し前に、学生服の歌鈴ちゃんが雑誌に乗っていましたね。ゴミ拾いのボランティアをやっていたとか」
歌鈴「いつも神社の掃除をやっていますからね! ゴミ拾いは好きなんですっ」
歌鈴「……で、でも、途中で転んじゃって、ゴミがばらけちゃって……」
藍子「あらら……。大丈夫ですよ。ゆっくり、自分のペースでやれば、歌鈴ちゃんも大丈夫です♪」
歌鈴「藍子ちゃん……! いや、藍子ちゃん先生!」
藍子「え、えぇ……ですから、私の方が年下なんですから、もう」
藍子「今日の撮影の仕事も、マイペースで頑張りましょ」
歌鈴「はいっ! 歌鈴は大丈夫、歌鈴は大丈夫、って言い聞かせてやってきます!」
藍子「うんっ」ニコッ

藍子「ってことで、はい、一通りを撮ってきました♪」
P「…………それはいいんだが、藍子、どうして俺の方にカメラを向ける?」
藍子「そして、この人が私達のプロデューサーさんです。あっ、私達といっても、私と、加蓮ちゃんと、菜々さんと、歌鈴ちゃんのプロデューサーさんです」
P「待て、おい待て藍子。アイドルのイメージビデオに俺が出てどうするんだ」
藍子「Pさんはいつも仕事熱心で、とっても頼りになるんですっ。私がアイドルになることができたのも、Pさんのおかげですね」
P「話を聞けぇ!」
藍子「わっ。び、びっくりしたぁ……」
P「す、すまん。じゃなくてだな藍子、だからこれはアイドルのイメージビデオで」
藍子「それではPさん。私達のプロデューサーさんとして、最後に締めの言葉をどうぞっ」
P「え、あ、おう。ゴホンっ。うちの事務所の子はみんな、真っ直ぐで一生懸命で、それぞれの目標に向かって突き進んでる。それはみんなの力でもあるけれど、やっぱりファンに応援されてのアイドルだ。ファンのみんな、いつも応援してくれてありがとう」
藍子「ふふっ♪」
P「って! いかんつい……も、もういいだろ藍子。さ、そのカメラをこっちに渡せ」
藍子「データをパソコンに入れて、コピーしてからですっ」
P「俺の部分を消せって言ってんだよ!」
藍子「せっかくのPさんのお言葉ですから、落ち込んじゃった時に聞くことにしますねっ!」
P「やめろ! ……あっ、こら待て逃げるな! 待てー!」

加"蓮"と"藍"子、それなら菜々さん=ウサギの3人。
公式ユニット名は「クリスマスメモリーズ」。私が勝手につけた呼び名は「ラブ・ラビット」。
柚はかわいくて、めんどくさくて、可愛い。
加蓮と忍。同じ努力家なのに、過程主義で努力好きの忍と、結果主義で努力嫌いの加蓮。
加"蓮"と歌"鈴"……ロードローラーには乗りませんよ?
夕美は……まあ、今は、夕美は夕美としか……。

そんな彼女たちのことを、これからもよろしくお願いします。


掲載日:2015年8月23日

 

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